静岡県立科学技術高校　「丁張り技術講習会」について

静岡地区　望月元一

平成27年10月29日（木）に、静岡市葵区にある静岡県立科学技術高校　都市基盤工学科3年生の42名を対象に【外部講師による「丁張技術講習会」】を開催しました。

この講習会は、昨年度の卒業生より社会に出て最初にやらなければならない作業が、「丁張りの設置」であったという報告から同科科長の坂本巧先生より丁張授業があると良いのにと相談を受け実現しました。
そして、県立科学技術高校（塩﨑克幸校長）、都市基盤工学科の協力を得て、有意義に開催できました。

参加講師、野崎秀夫、小林大輔(石福建設）、山田智弘（平井工業）、池田栄規（木内建設）、湯川重太（市川土木）、石川智章（白鳥建設）、峯野雅文（イハラ建成）望月元一（静和工業）の計8名と都市基盤工学科の先生方と合同で講習会を行いました。

◎1限目は、丁張りの目的と現場に即した丁張りの設置について、基礎的な知識の習得する目的で

最初に私、望月元一が「丁張りとは何か‥」という話から、
（1）丁張り設置のための使用材料及び使用方法
（2）構造物の種類別による丁張の種類
（3）丁張りの設置方法
（4）丁張り設置時の留意事項
（5）安全対策
の内容で写真や資料を使用して、1時限目の座学を行いました。

◎1限目は、「丁張りの設置について」講義の様子

	※生徒も丁張りの設置手順と方法、安全対策について短い時間であったが、真剣に聴講していました。

◎2限目は、講師8人による丁張り設置の模範実演

	※器械を視準するもの、測量の手元を行うもの、丁張りを設置するものに役割を分担し講師全員で丁張を設置しました。生徒の視線で緊張しました。‥‥
※計画したブロック積の法丁張りを設置しました。丁張り完成後、生徒に丁張（右）の部位内容を説明しました。模範演技終了です。‥‥

◎3限目、4限目は現場照査、丁張り設置について実践的な技術の習得の内容で生徒を6集団編成、1集団につき講師1名で技術指導を行いました。

生徒たちの様子

※丁張り杭の設置
トータルステーションとレベルを用いて杭の位置と高さを決定。
杭打ちは安全第一！
堅い地盤での杭打ちは大変でした。杭を真っ直ぐ打ち込むことの難しさを体験しました。

※水平に合わせた貫板設置
貫板の固定位置と勾配を確認しながら、声をかけ合って慎重に固定しました。
1㎜の狂いも許されません。

※法勾配に合わせた貫板設置
法勾配に合わせた貫板設置は水平設置より難しい。
勾配を確認しながら慎重に行いました。

※法勾配に合わせた丁張り設置
法勾配に合わせた丁張り作業は難しい。
これができれば一人前になれるかな？

※丁張りの完成
講師の先生方に御指導いただき6体の丁張りが完成しました。
今回の技術講習会では、作業時の安全と土木構造物の地盤の成形や構造物を施工する際に基準となる位置や高さの設置する丁張りの重要性を学ぶことができました。
講師の先生方、御指導ありがとうございました。

◎技術講演後の生徒たちからの感想

山内研人君
「1㎜のずれもない様に声を掛け合うことが大事だと分かった。」

他、「これから就く仕事のイメージができた。」
　　「就職までのじかんを大切にしたい。」などの感想を聞けました。

◎都市基盤工学科　坂本科長より

丁張り技術講習会を終えて

今回の丁張り技術講習会は、卒業生が在学中に学んでおきたかった学習は「丁張り実習」との声を受けて実現しました。3年生を対象に、丁張りの実践的な知識・技能・技術を身につけることを目標とし、これまで取り扱ってきたレベルやトータルステーションが丁張り設置にどのように活用され、水糸・杭・貫板等によって丁張りが形づくられていく様子を体験的に学ぶことができました。
　この講習会をとおして、生徒達は、授業で学んだ学習と現場で必要となる実践的な技能･技術が繋がっていることを学ぶと同時に、丁張りが建設現場の施工性を大きく左右する大事なものであることを理解できたと思います。
　丁張り技術講習会が、静岡県土木施工管理技士会の皆様方の御支援と御協力によって実現できたことに感謝申し上げます。今後とも、技士会の皆様方の御理解と御協力をお願いいたします。

静岡県立科学技術高等学校
都市基盤工学科長　坂本　巧


	お礼状

おわりに

技術講習会を無事終了することができました。先生方や生徒から好評を頂きました。
今後、多くの学生がこの丁張り技術講習会を良い機会として土木工学の勉強を収められることを希望します。
又、多くの学生が将来の社会資本整備を担う土木工事に土木施工管理技士として携わって頂けたら、土木施工管理技士会として大変喜ばしいことと感じます。
静岡県立科学技術高等学校　「丁張り技術講習会」にご理解を頂き協力して頂いた塩﨑校長先生、坂本科長、池端先生他都市基盤工学科の先生方には大変感謝申し上げます。
今回、ご支援をして頂いた静岡県土木施工管理技士会　静岡、清水地区　協会員会社様又、開催に協力して頂いた講師の方々にも合わせてお礼を申し上げます。

※写真資料については、静岡県立科学技術高校　都市基盤工学科様、建通新聞社様より提供

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